こんにちは、はるママ(@fpmama4)です。
今までさんざんiDeCoをお勧めしてきましたが、今回はiDeCoの唯一注意してもらいたい『特別法人税』について書きたいと思います。
もくじ
特別法人税とは
特別法人税とは、企業年金(厚生年金基金・iDeCo・企業型確定拠出年金・確定給付企業年金)の保有資産に対して、年率1.173%(国税1%+地方税0.173%)を課税する税金のことです。もちろんiDeCoも、この特別法人税の対象です。
企業年金制度では掛金を拠出した時には、年金総支給額が確定していないので、実際の給付時まで課税を繰り延べることとされています。(総支給額が分からないのに課税のしようがありませんよね)
その課税の繰り延べに対して、遅延利息に相当するものとして、年金積立金に対して特別法人税が課税される仕組みになっているそうです。
特別法人税による課税は現在停止されている
確定拠出年金法が制定された2001年から、特別法人税はバブル崩壊や日本経済の低迷により既に課税停止が行われています。
そもそも特別法人税が凍結されているのは1999年以降となっており、今のところ2020年3月31日まで、凍結措置がなされていますが、課税凍結の延長回数は7回、凍結期間は20年以上となっています。実際、iDeCoに対し特別法人税が課税されたことは、まだ無いことになります。
特別法人税の『停止』でなく『廃止』の議論がされている
先進国ではもともと非課税
なんと先進国(アメリカ・ドイツ・フランス・イギリス等)では、そもそも企業年金の積立金に対して課される税金はないんです!
実はNISAもイギリスをまねた制度なので、日本は運用や年金について他の先進国から確実に遅れを取っています。そもそも積立金に課税ってありませんよね。
二重課税の恐れがある
運用中は積立金(拠出金+運用益)に特別法人税が課され、年金の受給時に所得税が課される(場合がある)ということは、二重課税の問題が出てきます。
以上の理由から、特別法人税の廃止の議論がされています。現在も議論がされている最中ですが、今はまだ課税停止中ということは頭にいれておいた方がいいと思います。
特別法人税が復活したらどうなる?
生命保険協会が「平成30年度税制改正に関する要望」で試算しているので、まとめてみました!(字が汚くて申し訳ありません)
【前提】(確定拠出年金の場合)
・毎月1万円を25年間積み立てて、10年間年金を受け取ると仮定
・運用利回りを2.5%とし、次の2ケースを試算
①のケース・・・積立金に対する課税がない場合
②のケース・・・積立金に対し1.2%の課税が行われる場合
安心してください。でも油断は禁物。
この特別法人税が停止することとなった1999年の10年国債の金利は、約1.7%です。日銀のマイナス金利政策を導入直前の金利は20年国債でも1.7%なかったはずです。
特別法人税が10年国債の金利を上回りそうなタイミングで停止したとすれば、バブル崩壊前の金利に戻らない限り再開はされないのではないか、、、とも推測できます。
ただし凍結という判断となった以上、特別法人税が復活する可能性も想定してiDeCoを活用するべきだろうとも思っています。課税が再開された場合、少なくとも、年間で1.173%以上の利回りを目指して運用することが求められるようになります。
約6割が確定拠出年金(iDeCo含む)で預金型を選択しているものの、長期投資のメリットを十分に活かすため、その他のリスク資産の組み入れを少額から増やす必要があるのではないかと思います。